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不動産の相続手続きの期限

  • 文責:弁護士 澤田啓吾
  • 最終更新日:2026年1月14日

1 相続登記には期限が設けられています

不動産を相続した場合、相続人に名義を変更するために相続登記という手続きを行う必要があります。

かつては、相続登記には期限が定められておらず、相続登記をしないことに対するペナルティもなかったため、長年放置されることも少なくありませんでした。

しかし、法律が改正され、令和6年(2024年)4月からは、相続登記が義務化されました。

これにより不動産の相続手続きには期限が設けられ、現在では放置することができなくなっています。

以下、不動産の相続手続きについて、その内容、注意点、放置した場合のリスクなどについて説明します。

2 不動産の相続手続き

不動産の相続手続きとは、被相続人(亡くなった方)が所有していた土地や建物の名義を、相続人に変更する相続登記を指します。

相続が発生したからといって、自動的に登記が変更されるわけではなく、相続人が法務局に相続登記申請をしなければ、登記簿上は亡くなった方の名義のままになってしまいます。

名義変更を行わないと、過料が科される可能性があるほか、相続人が不動産を売却することや、担保権を設定することができません。

また、長期間が経過すると次の相続が発生してしまうなどして権利関係が複雑になり、相続登記の負担がとても大きくなることもあります。

3 相続登記の期限と義務化の内容

⑴ 期限内の申請義務

不動産を相続した相続人は、基本的には相続があったこと、および被相続人の不動産の所有権を得たことを知った日から3年以内の相続登記が義務づけられました。

⑵ 過料の対象

正当な理由なく3年以内に登記申請をしない場合には、10万円以下の過料が科される可能性があります。

不動産登記法第164条において「申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。」と定められているためです。

⑶ 遺産分割協議が調わない場合

相続人が複数いる場合、被相続人の不動産を取得する相続人を決めるためには、遺産分割協議が必要となります。

相続人間での対立などによって話し合いがまとまらず、3年以内に遺産分割協議が成立しないケースもあり得ます。

このような場合には、相続の開始と相続財産の中に不動産があることを知った日から3年以内に、一旦法定相続割合による相続登記をするか、相続人申告登記の申出(不動産の所有者(登記名義人)について相続が開始したことと、自分が相続人であることを法務局に申し出る手続き)をします。

そして、遺産分割協議が成立したら、遺産分割協議成立の日から3年以内に相続登記を行います。

4 不動産相続登記の前提として行わなければならないこと

⑴ 相続人調査

相続登記に限りませんが、多くの相続手続きをするための前提として、相続人の調査が必要となります。

相続人の調査をするためには、基本的には被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本を取得します。

後述する遺産分割協議は、相続人全員で行わないと無効になってしまうため、相続人を確定させておくことは重要なプロセスになります。

⑵ 相続財産調査

相続人調査と並行して、相続登記の対象となる不動産を含む相続財産の調査も必要です。

被相続人が所有していた不動産を調査するためには、一般的には登記簿のほか、固定資産税納税通知書や名寄帳を確認します。

⑶ 遺産分割協議

相続人調査と相続財産調査が済んだら、どの相続人がどの財産を取得するかについて話し合います。

合意に至ったら、その内容を記した遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書には、実務上は相続人全員が署名と実印による押印をし、各相続人の印鑑証明書も添付します。

以上のとおり、遺産分割協議書の作成までは一定の時間を要しますので、できるだけ早く準備を進めることが大切です。

5 不動産の相続手続きを放置するとどうなるか

⑴ 義務化による過料のリスク

先述のとおり、正当な理由なく期限内に登記申請をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

⑵ 権利関係が複雑化する

相続登記を放置していると、いずれ相続人が亡くなり、その権利がさらに次の世代に相続されます。

例えば、元々相続人が3人おり、法定相続割合に基づきそれぞれ3分の1ずつ不動産の共有持分を有していたところ、3人とも亡くなったとします。

各相続人に子が2人ずついた場合、不動産は6人による共有状態になってしまいます。

このようなことが繰り返されると、不動産の共有持分を有している相続人が多数に増え、相続人の調査や遺産分割協議を成立させることが極めて困難になります。

⑶ 不動産の売却・担保設定ができない

登記が被相続人のままでは、売却や担保設定ができず、相続人が不動産を活用することができません。

相続税の納税資金が必要である場合などには、早急に売却する必要がありますので、早い段階で相続登記をしておくことが大切です。

6 相続登記をスムーズに進めるためのポイント

まず、相続が開始されたら、早めに戸籍の収集を行い、相続人を確定することが大切です。

相続登記に限らず、多くの相続手続きを進めるためにも、相続人の調査は必須の作業になりますので早期に済ませておくとよいです。

相続財産の調査は相続人調査と並行して進められますので、名寄帳や固定資産評価証明をしましょう。

相続登記の際には、固定資産評価証明も必要になります。

その後、遺産分割協議をできるだけ速やかにまとめます。

合意が難しい場合は、予め法定相続割合による相続登記、または相続人申告登記の申出をしたうえで、家庭裁判所に調停提起をするなどの対応が必要です。

これらを意識することで、期限内に相続登記を確実に行えるようになります。

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